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なんだかすごいMR2があるという情報をCBが入手したのは、日本列島梅雨真っ盛りの6月のこと。 まあMR2はたしかに悪い車じゃないけど、中途半端に古いし、インパクト弱そうだから軽く取り上げておけばいいんじゃないの・・・・・・ な〜んて思っていたら大間違い。ビックリするほどの超激レアなAW11だったのだ! で、肝心の内容はというと、エンジン部品からビス一本に至るまで、集められる新品パーツを日本全国からかき集め、
19年前のAW11を新車同様に蘇らせてしまったというのだ!話によると、新車当時のMR2の新車が3台は余裕で買えちゃうくらいの製作費(!)
がかかっているという。 |
日本初のミッドシップであるこのクルマについて、CB読者に語る必要はないだろう。 今回は製作にまつわることを中心に話を進める。 このレストアプロジェクトのきっかけは、オーナーのAW11との出合いまでさかのぼる、初代MR2が発売されたころ、 自動車免許を取得したオーナー。当時MR2は「コーナーの貴公子」などと称され、クルマ好きがあこがれるクルマだった。 オーナーもいつかは乗ってみたいと思っていたが、22歳のときに知り合いのトヨタディーラーマンから1週間ほどMR2が借りられることになった。実際このクルマに乗ると、速さとハンドリングのよさに「これはすごい!」と感動。いつかは買いたい夢のクルマとなったのだ。 その後、努力の甲斐もありAW11のレストアができるくらいの大人(金銭的にもね)へと成長。しかしあこがれのAW11は、 20年以上の時が経過したこともあり、程度の良いきれいな車両はほとんどなくなっていた。それを危惧したオーナーはフルレストアを決意。 それも集められるだけの新品パーツを使い、新車に蘇らせようと考えたのだ。 |
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こうしてプロジェクトがスタートしたわけだが、レストアに力を貸してくれたのは東京中野区の「エイツオオタ」。 全体的な流れやスケジュール管理、欠品パーツ製作など、中心的な役割を担ってくれた。 そして、ボディやシャシー、サスペンション、駆動系などを担当したのは、なんと杉並のトヨタテクノクラフト。 テクノクラフトというと、特殊車両やショーモデル製作、板金塗装以外の仕事はやらないイメージがあった。だからレストアを請け負ってくれたのは意外だった。 メーカー系の高い技術を持ったファクトリーが協力してくれるというのは、プロジェクトメンバーにとって非常に心強かった。 街工場では入手不可能なデータや構築されたノウハウなど、必要に応じた情報を得られるからだ。今回のようなリアルな復元が求められる作業では、頼れるパートナーといえるだろう。 レストアに協力してくれるファクトリーが決まり、まず取りかかった作業は新品パーツの確保。エンジンをはじめ、
エクステリアやインテリア、内張りに使うプラスチックの小さいピンやナットに至るまで、新品として残っているパーツはすべて購入。
ボディパーツなどはわりと残っていたが、新品のコンプリートエンジンに関してはすでにメーカーに在庫がなかった。そこで、全国の部販を通じて探したが、
トヨタ系の販社にはどこにもなかった。それでもなんとか見つけたが、残念なことにタッチの差で買うことができなかった。 |
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そこでエンジンはオーバーホールすることに。もちろん新品として残っていたパーツはすべて購入。 せっかくなのでクランクやコンロッドなどはバランス取りを施し、ついでにヘッド加工も加えた。 さらにピストンはオーバーサイズを採用。ノーマルよりも確実にパワーアップしている。 また、クラッチはノーマルよりもTRDの強化品を使ったほうが格段に信頼性が向上するというテクノクラフトの提案で、クラッチをTRD製に変更した。 パーツを探すだけで半年が費やされた。既に20年近くたった車両の部品だから、最後まで見つからなかったパーツもあった。 そのなかでもシートやダッシュボードなどは残念ながら新品はない。そういった部品は、オリジナルに近い素材やリペアで対応した。 ちなみにトヨタ自動車では、絶版部品でも使用用途や目的など、ユーザーの熱い思いが伝われば、特別製作してくれる粋なサービスがあるということだ。 基本的にパーツの取り付け方法や色など、細部にわたって製造された当時と同様に製作してあるが、アンダーコートなどは、 指定された量より多めに塗布するなどして車両を保護する工夫も取り入れてある。 結局、完成したのは今年の5月。ベース車両を購入してからすべての作業が終了するまでに費やした期間はなんと約2年。 当初オーナーは、完成したら乗り回すつもりだったのだが、あまりにも高い完成度のため、このまま乗らずに大切に保管することに決めたという。 ボクは20年以上自動車業界で仕事をさせてもらっている。もちろんレストアされた車両も多く見てきた。そのなかでもこのAW11は、 3本の指に入るくらいすばらしいクルマだと断言できる。余談だが、トヨタでは過去生産していたモデルの新車は残しておくことはしないという。 そうなるといっそうこのAW11型MR2新車仕様は、希少価値が高いといえるだろう。 機会があったらこのMR2をぜひ見にいってほしい。オーナーのクルマに対する情熱がひしひしと感じられることは間違いない。 |
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この記事は「CAR BOY 2007/9月号」に掲載されています。 |
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